日頃よりほくほく線をご利用いただき誠にありがとうございます。また、弊社の事業運営に関しまして、ご理解とご支援をいただいていることに深く感謝申し上げます。
弊社では、開業以来「常に『安全』最優先」を安全計画の最重要課題として掲げ、安全・安定輸送の確保に取り組んできました。その結果、列車脱線や列車衝突等、鉄道運転事故を発生させることなく、併せてお客さまや社員、協力会社社員の死傷事故についても発生させることなく、安全な輸送を提供することができました。
2021年度は、大雪の影響で、六日町駅~越後湯沢駅間(JR上越線乗入区間)の運休が続いたことにより、お客さまにはご迷惑をおかけいたしました。自然災害は近年、局地的な豪雨や大雪に例えられるように、激甚化する傾向が見られるため、早めの情報収集等により、お客さまの安全・安心の確保に努めてまいります。
今後も、開業から現在に至るゆるぎない『安全』に対する姿勢をベースに、お客さま・社員ともに笑顔になる鉄道を目指し、安全・安定・安心輸送に取り組んでまいります。
2021年度のご利用者数は、コロナ禍の影響により低迷しているところですが、前年度より少し回復し81万人(前年比109%)でした。
ほくほく線沿線では、少子高齢化や就業人口の減少が続いており、さらに新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、他の第三セクター鉄道同様に厳しい経営状況が続いています。その状況を少しでも改善すべく様々な施策を進めているところです。
2017年度より第三セクター鉄道初となる、佐川急便(株)との貨客混載輸送を実施しています。
弊社では初めての試みとなる『芸術祭列車』について、11月にプレ公開を行いました。2022年度に開催される「大地の芸術祭2022」において、公式作品『JIKU #013 HOKUHOKU-LINE』として公開されます。沿線地域と連携した施策にも取り組んでまいります。
また、沿線市町のご協力をいただき、『ふるさと納税』の返礼品として設定した鉄道のバックヤード見学ツアーや、2019年度に『鉄旅オブザイヤー』のグランプリを受賞した『ナイトタートル』など、ほくほく線をより楽しんでいただける取り組みにつきましても、今後の感染状況を鑑みながら、実施してまいりたいと考えております。
私たちは、これからも鉄道事業者として各種法令等を遵守するとともに、輸送の安全確保をより強化するために、社内の安全推進会議等での安全に関する課題等の議論・検討・改善、細部にわたる車両・設備の保守点検の実施、社員教育の充実に取り組みます。そして引き続き、安全で安心してご利用いただける鉄道として努力してまいります。
併せて、沿線地域の皆さま、ご利用のみなさまと共に歩む鉄道会社として、愛され、親しんでいただけるよう取り組んでまいります。
この報告書は、2021年度に弊社が取り組んできた事故防止や社内安全体制について、広くご理解いただくために公表するものです。お客さまからの声を、輸送の安全や業務の改善に役立てたく、積極的なご意見をいただければ幸いです。
代表取締役社長 小池 裕明
当社は開業当初から「安全・安定輸送の確保」を経営の最優先課題に据え、「安全な輸送こそが最大の使命」との強い決意の下、取り組んできました。
これまで内部監査体制の確立、異常気象に起因する輸送障害の軽減、大事故を想定したリスク管理体制の構築、ヒヤリハットを共有するためのシステムの活用等、様々な取り組みを実施することで安全管理体制の強化を図ってきました。
その結果、開業以来今日まで列車脱線や列車衝突等、鉄道運転事故の発生はなく、併せてお客さまや社員、協力会社社員の死傷事故についても発生させることなく安全な輸送を提供することができました。
なお、当社の安全管理体制については、次の表に示すとおりです。
【安全管理体制組織図】
安全統括管理者 | : | 輸送の安全の確保に関する業務を統括する |
運転管理者 | : | 安全統括管理者の指揮の下、運転に関する事項を統括する |
施設管理者 | : | 安全統括管理者の指揮の下、鉄道施設に関する事項を統括する |
車両管理者 | : | 安全統括管理者の指揮の下、車両に関する事項を統括する |
財務・要員管理者 | : | 設備投資、財務及び要員に関する事項を統括する |
乗務員指導管理者 | : | 運転管理者の指揮の下、運転士の資質の保持に関する事項を管理する |
① 私たちは、基本動作を励行し、安全・安定輸送の確保を図ります。
② 私たちは、真心をこめたサービスに徹し、お客様に信頼される鉄道をめざします。
③ 私たちは、常に業務の刷新に努め、活気ある明るい職場をつくります。
この基本方針を達成するため、安全計画において「常に『安全』最優先(お客さまと社員、協力会社社員の死傷事故:ゼロ)」という具体的な目標を掲げて、安全で安定した輸送サービスの提供に取り組んできました。
また、2007年に制定した「社員行動規範」に則り、法令遵守と安全確保を実現するべく、全社員で行動してきました。
② 規程の遵守は、安全の基礎である。
③ 執務の厳正は、安全の要件である。
② お客さまに信頼される鉄道
③ 社会への適切な情報提供
④ 地域社会への貢献
⑤ 個人情報等の厳正な管理
⑥ 公正公平(適正)な取引
⑦ 反社会的勢力に対する毅然とした姿勢・絶縁
⑧ 会社財産の厳正な管理
⑨ 働きやすい職場づくり
これら安全推進会議での審議決定により、安全マネジメント体制におけるPDCAサイクルを確実に実践することができました。
また、異常時を想定した対応訓練を毎年地元の消防機関等と合同で、主に夜間時間帯で実施していましたが、2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大のため、当初予定していた合同訓練を中止し、机上での代替訓練を実施しました。
また、鉄道他社で発生した車内における傷害事件の発生を受け、車両に防犯盾等を搭載するとともに、地元警察署の協力による護身術の講習会と、社員の訓練を実施しました。
- 【本線上での乗務員実設訓練】(現車走行訓練)
- 【護身術訓練(防犯訓練)】
- 【カッター車取扱訓練】
- 【列車防護訓練】
- 【保守用車脱線復旧訓練】
- 【保守用車除雪装置応復旧訓練】
- 【保守用車貫通ブレーキ取扱い訓練】
- 【解放てこ取扱い訓練】
研修機関 | 研修名 | 受講者数 |
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新潟県労働基準協会 | 新入社員のための鉄道技術概論講習 | 2名 |
労働基準協会連合会 | 玉掛け技能講習 | 2名 |
キャタピラー教習所株式会社 | フルハーネス墜落防止用器具特別教育 | 2名 |
日本無線協会信越支部 | 第三級陸上特殊無線技士 | 2名 |
JR東日本新潟支社総合訓練センター | 運転士運転取扱訓練 | 5名 |
その結果、安全で安定した輸送の確保を実現することができました。
◆ロングレール更新 | 914万円 |
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◆散水式消雪設備送水ポンプ更新 | 1,270万円 |
◆雨量計機器更新 | 260万円 |
◆高架橋修繕 | 1,025万円 |
◆トンネル修繕 | 440万円 |
◆旅客上屋屋根修繕 | 1,596万円 |
◆変電所遠方監視制御盤更新 | 5,500万円 |
◆電車線支持がいし更新 | 900万円 |
◆防護無線中継装置更新 | 4,432万円 |
◆気象情報システム更新 | 1,414万円 |
◆HK100形電車定期検査 | 7,850万円 |
◆HK100形電車ギヤユニット軸受交換 | 3,690万円 |
◆HK100形電車高速度遮断器整備 | 454万円 |
◆HK100形電車防犯用具搭載 | 71万円 |
年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
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鉄道運転事故件数 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
死傷者数 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
今後も係員に起因する輸送障害「ゼロ」の目標に向けて、社員教育の充実及び基本作業の徹底を推進します。
年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
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自然災害 | 6 | 3 | 3 | 4 | 9 |
その他輸送障害 | 0 | 0 | 2 | 4 | 6 |
貨客混載輸送は、六日町駅~うらがわら駅間の定期旅客列車に荷物台車(カーゴ)を積載し、荷物を運送するもので、平日夜間の上下各1本の列車で実施しています。ご乗車のお客さまにはご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
また、ハロウィン列車やクリスマストレインなど、普段ご利用いただいているお客さまにも楽しんでいただける企画についても、引き続き実施してまいります。
- 【親子で探検ほくほく線】
- 【ハロウィン列車】
- 【ほくほくSAKE Lovers】
踏切事故防止活動の様子
またご乗車の際、駆け込み乗車は大変危険ですので余裕を持ったご乗車にご協力をお願いします。併せまして、他のお客さまの迷惑となる行為等についてはご遠慮いただき、乗車マナーを守ってすべてのお客さまが快適にご利用いただけますようご協力をお願いします。