日頃よりほくほく線をご利用いただき誠にありがとうございます。また、弊社の事業運営に関しまして、ご理解とご支援をいただいていることに深く感謝申し上げます。
弊社では、開業以来「常に『安全』最優先」を安全基本計画の最重要課題として掲げ、安全・安定輸送の確保に取り組んできました。その結果、鉄道運転事故の発生もなく順調な輸送を提供することができました。
今後も、開業から現在に至るゆるぎない『安全』に対する姿勢をベースに、お客さま・社員ともに笑顔になる鉄道『ほくほくスマイルレール』を目指し、便利で快適な輸送を提供するために、安全・安定・安心輸送に取り組んでまいります。
2018年度は、3年に一度開催される沿線の一大イベントである、「『大地の芸術祭』越後妻有アートトリエンナーレ2018」が開催されたほか、上越市立水族博物館が『うみがたり』としてグランドオープンしました。ほくほく線もこれらの賑わいの中で、例年に比べ多くのお客さまにご利用いただきました。
ご利用者数は127.1万人(前年比105%)となり、これにより年間ご利用者数は10年連続の100万人(※)を達成することができました。※普通列車のみのご利用者数
2015年以降、弊社は北陸新幹線開業に伴う特急『はくたか』の廃止により厳しい経営環境に置かれることとなりましたが、その状況を少しでも改善すべく様々な施策を進めているところです。それら施策のひとつとして、2018年12月に運賃改定を実施させていただきました。ご利用のお客さまにご負担をおかけすることとなり、誠に申し訳ございませんが、ほくほく線の永続運行のため、ご理解ご協力のほどお願い申し上げます。
収入確保のための事業展開としては、2017年4月より第三セクター鉄道初となる、佐川急便(株)との貨客混載輸送を実施しており、現在まで概ね順調に継続しています。
一方、イベント列車の運行等にも積極的に取り組んでおり、特に『超低速スノータートル』につきましては、2018年度は3回催行致しました。鉄道ファンのお客さまを中心にリピーターのお客さまも多く、ご参加の皆さまから大変ご好評をいただきました。
そして、えちごトキめき鉄道(株)のリゾート列車『雪月花』を、特別運行として2018年よりほくほく線にも乗り入れています。
今後の営業施策につきましては、十日町市及び南魚沼市にご協力いただき、『ふるさと納税』の返礼品として、車両基地や保守基地など、バックヤードをご見学いただくツアーを計画し、ほくほく線をより身近に感じていただける取り組みを行います。
私たちは、これからも鉄道事業者として各種法令等を遵守するとともに、輸送の安全確保をより強化するために、社内の安全推進会議等での安全に関する課題等の議論・検討、細部にわたる車両・設備の保守点検の実施、社員教育の充実に取り組みます。そして引き続き、安全で安心してご利用いただける鉄道を目指していきます。
併せて、沿線地域の皆さまと共に歩む鉄道会社として、便利なダイヤづくり、快適な車両・設備の提供に努めるとともに、引き続き各種イベント等の企画を行い、沿線の皆さまはもちろん、ご利用のお客さまに親しんでいただけるような取り組みを進めていきます。
この報告書は、2018年度に弊社が取り組んできた事故防止や社内安全体制について、広くご理解いただくために公表するものです。皆さまからの声を、輸送の安全や業務の改善に役立てたく、積極的なご意見をいただければ幸いです。
代表取締役社長 小池 裕明
当社は開業当初から「安全・安定輸送の確保」を経営の最優先課題に据え、「安全な輸送こそが最大の使命」との強い決意の下、取り組んできました。
これまで内部監査体制の確立、異常気象に起因する輸送障害の軽減、大事故を想定したリスク管理体制の構築、ヒヤリハットを共有するためのシステムの活用等、様々な取り組みを実施することで安全管理体制の強化を図ってきました。
その結果、開業以来今日まで列車脱線や列車衝突等、鉄道運転事故の発生はなく、併せてお客さまや社員、協力会社社員の死傷事故についても発生はありませんでした。
なお、当社の安全管理体制については、次の表に示すとおりです。
【安全管理体制組織図】
安全統括管理者 | : | 輸送の安全の確保に関する業務を統括する |
運転管理者 | : | 安全統括管理者の指揮の下、運転に関する事項を統括する |
施設管理者 | : | 安全統括管理者の指揮の下、鉄道施設に関する事項を統括する |
車両管理者 | : | 安全統括管理者の指揮の下、車両に関する事項を統括する |
財務・要員管理者 | : | 設備投資、財務及び要員に関する事項を統括する |
乗務員指導管理者 | : | 運転管理者の指揮の下、運転士の資質の保持に関する事項を管理する |
(1) 私たちは、基本動作を励行し、安全・安定輸送の確保を図ります。
(2) 私たちは、真心をこめたサービスに徹し、お客さまに信頼される鉄道をめざします。
(3) 私たちは、常に業務の刷新に努め、活気ある明るい職場をつくります。
この基本方針を達成するため、2018年度の安全計画において「常に『安全』最優先(お客さまと社員、協力会社社員の死傷事故:ゼロ)」という具体的な目標を掲げて、安全で安定した輸送サービスの提供に取り組んできました。
また、2007年に制定した「社員行動規範」に則り、法令遵守と安全確保を実現するべく、全社員で行動してきました。
(2) 規程の遵守は、安全の基礎である。
(3) 執務の厳正は、安全の要件である。
(2) お客さまに信頼される鉄道
(3) 社会への適切な情報提供
(4) 地域社会への貢献
(5) 個人情報等の厳正な管理
(6) 公正公平(適正)な取引
(7) 反社会的勢力に対する毅然とした姿勢・絶縁
(8) 会社財産の厳正な管理
(9) 働きやすい職場づくり
これら安全推進会議での審議決定により、安全マネジメント体制におけるPDCAサイクルを確実に実践することができました。
また、異常時を想定した対応訓練を毎年地元の消防機関等と合同で主に夜間時間帯で実施しています。(2018年度も消防機関との合同訓練を計画しましたが、台風21号の接近に伴い、列車運行の安全確保等を考慮し中止と致しました。)
- 【本線上での乗務員実設訓練】(現車走行訓練)
- 【カッター車取扱訓練】
- 【検電・接地訓練】
- 【保守用車脱線復旧訓練】
- 【解放てこ取扱い訓練】
- 【危険予知訓練】
- 【他山の石に学ぶ事故防止教育】
研修機関 | 研修名 | 受講者数 |
---|---|---|
日本鉄道車両機械技術協会 | 車両検修における技術継承研修会 | 2名 |
鉄道総合研究所 | 新入社員のための鉄道技術概論 | 1名 |
北陸信越鉄道協会 | 安全対策指導に関する技術研修会 | 2名 |
電気技術協会 | 直流変電所とき電回路 | 1名 |
その他 | 無線従事者(第3級陸上特殊無線技士)養成 運転取扱研修 | 6名 5名 |
その結果、安全で安定した輸送の確保を実現することができました。
- 動力車操縦者運転免許試験の様子
◆レール交換および更新 | 2,644万円 |
---|---|
◆トンネル修繕(覆工補強・漏水修繕) | 581万円 |
◆橋梁修繕(架道橋飛雪防止工・架道橋防水修繕など) | 870万円 |
◆旅客案内(接近)放送装置更新 | 1,013万円 |
◆十日町・松代変電所蓄電池制御盤更新 | 730万円 |
◆十日町・松代変電所遮断器更新 | 273万円 |
◆ほくほく大島駅~大池いこいの森駅間ハンガイヤー更新 | 685万円 |
◆六日町構内ATS-P符号処理器更新 | 637万円 |
年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|---|---|
鉄道運転事故件数 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
死傷者数 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
今後とも係員に起因する輸送障害「ゼロ」の目標に向けて、社員教育の充実及び基本作業の徹底を推進します。
年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
---|---|---|---|---|---|
自然災害 | 7 | 0 | 5 | 6 | 3 |
その他輸送障害 | 4 | 3 | 2 | 0 | 0 |
貨客混載輸送は、六日町駅~うらがわら駅間の定期旅客列車に荷物台車(カーゴ)を積載し、荷物を運送するもので、平日夜間の上下各1本の列車で実施しています。ご乗車のお客さまにはご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
スノータートル(6月開催)
スノータートル(6月開催)
スノータートル(10月開催)
スノータートル(10月開催)
スノータートル(2月開催)
スノータートル(2月開催)
踏切事故防止PR活動の様子
またご乗車の際、駆け込み乗車は大変危険ですので余裕を持ったご乗車にご協力をお願いします。併せまして、他のお客さまの迷惑となる行為等についてはご遠慮いただき、乗車マナーを守ってすべてのお客さまが快適にご利用いただけますようご協力をお願いします。