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北越急行株式会社
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北越急行 安全報告書(2012)
利用者の皆さまへ
いつも「ほくほく線」をご利用いただき誠にありがとうございます。
また、平素は弊社の事業運営に対しまして、ご理解とご支援をいただき深く感謝申し上げます。

鉄道事業を営む弊社では、2011年度の安全計画の目標を「安全最優先の深度化」として、「安全・安定輸送の確保」に取り組んできました。その結果、鉄道事故の発生もなく順調な輸送を確保することができました。
また、お陰様で2012年3月22日には開業から満15年を迎えることができました。この間、重大な事故もなく今日を迎えることができたことは誠に喜ばしいことであると考えております。

輸送の実績につきましては、一昨年度末に発生した東北大震災及び7月に発生した新潟・福島豪雨の影響を受け、4月~8月までは対前年を大きく下回ることとなりました。その後は緩やかな回復傾向を示したものの、対前年度比較で97.5%となり、350.9万人のお客さまにご利用いただきました。列車種別によるお客さまのご利用状況では、特急「はくたか」が対前年度比較95.7%で246.8万人、普通列車が対前年度比較102.2%で104.1万人となり、普通列車につきましては3年連続で100万人を超えるお客さまにご利用をいただきました。

私たちは、これからも鉄道事業者として各種法令を遵守し、安全推進会議等を有効に活用するとともに、社員教育の充実や細やかな車両及び設備の保守点検に取り組むことで、引き続き安心してご利用いただける鉄道を目指して参りますので、今後ともご支援をよろしくお願い申し上げます。

この報告書は、2011年度に当社が取り組んできた事故防止や社内安全体制の実態について、広くご理解いただくために公表するものです。
皆様からの声を輸送の安全に役立てたく、積極的なご意見を頂戴いただければ幸いです。
北越急行株式会社
代表取締役社長 大熊 孝夫
当社の安全体制
当社は開業当初から「安全・安定輸送の確保」を経営の最優先課題に据え、「安全な輸送こそが最大の使命」との強い決意の下これまで取り組んできました。
この間、内部監査体制の確立、異常気象に起因した輸送障害の軽減、大事故を想定したリスク管理体制の構築、ヒヤリハットを共有化するためのシステムの活用等、様々な取り組みを実施することで安全管理体制の強化を図ってきました。
その結果、2011年度は新潟・福島豪雨に見舞われるなど自然災害による長期間の輸送障害は発生したものの、列車脱線事故や列車衝突事故の発生はなく、あわせてお客さまや社員及び協力会社社員の死傷事故の発生もありませんでした。
なお、当社の安全管理体制については、次の表に示すとおりです。

【安全管理体制組織図】
安全管理体制組織図
安全統括管理者輸送の安全の確保に関する業務を統括する
運転管理者安全統括管理者の指揮の下、運転に関する事項を統括する
施設管理者安全統括管理者の指揮の下、鉄道施設に関する事項を統括する
車両管理者安全統括管理者の指揮の下、車両に関する事項を統括する
財務・要員管理者設備投資、財務及び要員に関する事項を統括する
乗務員指導管理者運転管理者の指揮の下、運転士の資質の保持に関する事項を管理する
安全を確保する取組み
(1)基本方針と安全目標
当社は、会社の指針にも挙げている「基本動作を励行し、安全安定輸送の確保を図る」ことを、安全に関する基本方針と定めてきました。
この基本方針の下、2011年度の安全計画を「安全最優先の深度化(お客さまと社員、協力会社社員の死傷事故:ゼロ )」とし、具体的な目標を掲げることで安全で安定した輸送サービスの提供に努めてきました。
また、2007年に制定した「社員行動規範」に則り、法令遵守と安全確保という大きな目標に向って全社員で実践してきました。
【安全綱領】
(1) 安全の確保は、輸送の生命である。
(2) 規程の遵守は、安全の基礎である。
(3) 執務の厳正は、安全の要件である。
【社員行動規範】
(1)法令等の遵守と企業倫理に則った適切な行動
(2)お客様に信頼される鉄道
(3)社会への適切な情報提供
(4)地域社会への貢献
(5)個人情報等の厳正な管理
(6)公正公平(適正)な取引
(7)反社会的勢力に対する毅然とした姿勢・絶縁
(8)会社財産の厳正な管理
(9)働きやすい職場づくり

(2)輸送の安全確保のための具体的な取組み
① 安全確保のしくみ
当社では安全統括管理者を議長とし、経営トップから各現場の長までを委員とした安全推進会議を社内に設置しており、安全計画で策定した実行目標の達成状況の検証や運転事故・傷害事故等の原因究明、再発防止策の検討、安全意識向上施策の審議等を定例的に行い、本社と現場が一体となった安全施策の推進に取組んでいます。
これら安全推進会議での審議決定により、安全マネジメント態勢におけるPDCAサイクルを確実に実践することができました。
② 安全統括管理者等による現場指導の取組み
夏季輸送期間前および年末年始輸送期間前に、各職場での安全に対する取組みや課題等を把握するために、安全統括管理者や安全管理体制における各管理者等が安全管理規定に基づいた各現場の実態把握を行い、問題点の改善と指導を行うため安全点検を実施しました。また、社員との意見交換会や事故防止のための検討会等へも積極的に参加してきました。
③ 内部監査体制強化の取組み
運輸安全マネジメント態勢の更なる強化を図るため、2010年度に引き続き安全の確保に関する内部監査員研修に1名が参加し、管理部門や現業機関に対する内部監査をより効率的、実践的に行うための体制強化に取り組んできました。
④ 教育、訓練と人材の育成
当社では、輸送の安全確保のため、社員一人ひとりの技術力に応じた研修講座、技術専門研修、労働安全衛生法等で定められている技能講習の受講、サービス研修等の実施、その他各種資格取得に積極的に取り組むことで、2011年度においても社員の技術継承や人材育成に積極的に取り組んできました。
また、毎年9月に実施している消防や警察との合同防災訓練については、新潟・福島豪雨による鉄道施設の一部被害に加え、沿線地域の被害も甚大であったことから、実施を断念せざるを得ない状況となりましたが、各現業機関において、実際の設備を使用した異常時訓練や検討会等が自主的に開催されました。あわせて、本線における故障時対応能力の維持向上を図ることを目的に、臨時の訓練列車を運行し、より実践に則した乗務員実設訓練を実施しました。
【サービス研修】
サービス研修
【駅での防災勉強会】
駅での防災勉強会
【保守用車両による普通電車の救援訓練】
保守用車両による普通電車の救援訓練
【保守用車両の脱線復旧訓練】
保守用車両の脱線復旧訓練
【本線を活用した乗務員実設訓練】
本線を活用した乗務員実設訓練
【主な教育訓練】
研修機関研修名受講者数
鉄道総合研究所 新人社員のための鉄道技術講座4名
安全の人間科学2名
地震防災入門講座ほか4名
ヒューマンファクター自己分析法1名
日本鉄道電気技術協会 その他 専門講座3名
日本鉄道運転協会 運転関係指導者講習会1名
運転法規研修講座1名
輸送技術管理者ゼミナール2名
労働基準協会 ゼロ災リーダー養成1名
安全衛生推進者講習養成1名
フォークリフト技能講習1名
高所作業車講座3名
アーク溶接1名
その他 輸送指令員研修1名
シミュレーター訓練5名
無線従事者養成2名
ネットワークの基礎5名
⑤ 運転関係社員に対する資質管理
列車等の運転に直接関係する社員や施設及び車両の保守その他これに類する作業を行う社員に対しては、業務を行う為に必要な運転・医学適性及び知識及び技能を保有するよう社員一人ひとりの適性や知識、技能の確認を行なってきました。特に運転士においては、定例的な訓練や知悉度の確認、シミュレーター訓練等、質の高い資質管理の取組みを推進してきました。
その結果、社員の取扱誤りに起因する鉄道運転事故の発生はなく、安定した輸送の確保に取組むことができました。
⑥ 運転士養成
在来線での国内最速運転線区を維持するため、車両や設備の点検及び計画的な整備や改修を行うとともに、最新の設備への機器更新も行いました。2011年度の主な安全投資は次のとおりです。
【運転士国家試験】
運転士国家試験
⑦ 安全のための投資と支出
在来線での国内最速運転線区を維持するため、車両や設備の点検及び計画的な整備や改修を行うとともに、最新の設備への機器更新も行いました。2012年度の主な安全投資は次のとおりです。
【主な安全投資】
◆普通列車車両の車体等の更新工事12,000万円 ※2012年度は2両を施工
◆落橋防止工事260万円
◆トロリー線張替1,070万円
◆レール削正2,430万円
◆列車無線装置改修11,800万円
◆自動交換機改修500万円
◆風速計修繕360万円
◆分岐器部分交換1,080万円
◆気象情報システム修繕220万円
また、2010度末に発生した長野県北部地震、及び7月に発生した新潟・福島豪雨の復旧に11,690万円を支出しています。
【車体等の更新工事】
車体等の更新工事
事故等の発生状況とその再発防止措置
(1)鉄道運転事故
2011年度に発生した鉄道運転事故の件数はゼロであり、引き続き無事故を継続することができました。また、過去5年間の鉄道運転事故や死傷者の発生も無く、安全輸送を継続しています。
【国土交通省に報告した鉄道運転事故(過去5年間)】
年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度
鉄道運転事故件数 0 0 0 0 0
死傷者数 0 0 0 0 0
※ 鉄道運転事故とは列車衝突事故、列車脱線事故、列車火災事故、踏切障害事故、鉄道人身事故、鉄道物損事故をいいます。
(2)災害(地震や暴風雨、豪雪など)
2011年度に発生した自然災害(地震・風・雨等)による輸送障害については、長期に亘る雨により過去最大の列車運休本数となりました。今後は、自然災害に対する輸送障害を軽減させるための具体的な対策を検討していきます。
(3)輸送障害(30分以上の遅延や運休)
2011年度に発生した輸送障害の件数は、自然災害によるものが11件で、その内訳は風害5件、震害2件、雪害2件、水害1件、冷害1件となっており、鉄道係員による障害は発生していません。
今後とも鉄道係員に起因する輸送障害ゼロの継続に向け、社員教育の充実及び基本作業の徹底を推進していきます。
【国土交通省に報告した輸送障害(過去5年間 )】
年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度
自然災害 12 8 14 14 11
その他輸送障害 0 2 2 0 0
(4)インシデント(事故の兆候)
2011年度は国土交通省へのインシデント報告はありませんでした。
(5)行政指導等
2011年度は国土交通省からの行政指導はありませんでした。
(6)事故防止の取組み
① 安全検討会等の開催
協力会社との事故防止会議は、一昨年度末に発生した長野県北部地震により鉄道施設の一部に被害が生じたことから、その復旧作業のため実施することが出来ませんでした。そのため、トロリー使用責任者講習会を通じて、協力会社と一体となった安全意識の高揚を図りました。また、より高いレベルの安全風土を構築するため、身近な事例を用いて自らがその原因と対策を考え、皆で議論する事故防止検討会を開催しました。
【トロリー使用責任者講習会】
トロリー使用責任者講習会
【事故防止検討会】
事故防止検討会
② 早期地震通報システム
2008年に導入した早期地震通報システムは、これまで自動的に列車無線に停止情報を伝達させる装置を整備する改修に努め、有効的に活用しております。
② 強風対策
強風による運転事故防止の強化を図るため、2006年から鉄道総合技術研究所の指導により「くびき駅~犀潟駅間」で風向データと風速データを収集し調査を行っています。
④ 監視カメラの活用
鉄道テロ等に対する警戒体制の強化及びお客さまに安全で安心した輸送を提供することを目的に、監視カメラによる録画装置を活用しテロ等の防止に努めています。
⑤ その他
2007年より、十日町駅にAED(自動体外式除細動器)を設置しており、定期的な点検整備を行うとともに、お客さまの不慮の事故に対し敏速な対応を行うことを目的に救急救命講習を行いました。
お客さま、沿線の皆様とともに
(1)お客さまへの情報提供
① 運行情報の提供
ほくほく線の列車運行状況をリアルタイムでお客さまにお知らせするため、全駅に運行情報表示装置を設置しご案内しています。また、大幅に列車ダイヤが乱れた時は、インターネットや携帯電話等のホームページでもご案内しています。
② 情報提供
北越急行では、定期的に広報誌「ほっくんかわら版」等を発行し、臨時列車や沿線イベント等の情報を提供することで、鉄道に対する理解を深めていただく広報活動を推進しています。
③ お客さまからのご意見
お客さまからのご意見やご要望については、電話やメールの他、各駅に備え付けられているご意見箱により頂いております。お客さまから頂いたご意見は、経営トップをはじめ社員指導の担当者が目を通し、サービス推進会議等の場で検討し必要な改善を図ると共に、お客さまに迅速に回答するよう努めています。
(2)お客さまへのお願い
① 踏切事故防止のお願い
踏切での事故を防止するため、踏切に入る前には必ず一旦停止をし、列車が進入しないことの確認をお願いいたします。また、踏切内で車が立ち往生しないよう、踏切の先に自分の車が入る余地があるかを確認したうえで進入して下さい。万一立ち往生した場合は、踏切に設置してある「非常ボタン」を遠慮なく押していただくようお願いいたします。
② 鉄道施設内でのお願い
列車内や駅等において犯罪行為や不審物を発見した場合は、直ちに運転士や駅係員にお知らせ下さい。また、乗車の際の駆け込み乗車は大変危険ですので皆様のご協力をお願いいたします。
③ 夜間作業へのお願い
ほくほく線では日中時間帯に多くの列車が運行されていることから、事故防止のための線路や架線の取替作業等は深夜時間帯に行っています。そのため、沿線の皆さまには工事による騒音や振動等でご迷惑をお掛けする場合もありますが、何卒ご理解とご協力をお願いいたします。
以上