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北越急行株式会社
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北越急行 安全報告書(2008)
利用者の皆さまへ
いつも「ほくほく線」をご利用いただき誠にありがとうございます。 また、平素は弊社の事業運営に対して、格別なご理解とご支援をいただきまして厚く感謝を申し上げます。
さて、弊社は1997年3月に開業して以降、多くのお客さまに支えられ、おかげさまで開業10周年を迎えることができました。この間、安全で安定した輸送の実現に全社員で取組んできた結果、大きな運転事故の発生もなく特急「はくたか」号では開業してから2,700万人、普通列車では930万人ものお客様にご利用いただき、この節目の年を迎えることができました。
私どもは、新たな年に向かうにあたり、企業としての各種法令を遵守することはいうまでもなく輸送の安全確保をより強化するために社員教育の充実や車両・設備の保守点検に全力で取組み、引続き安全・安定輸送の確保に努めて参ります。
この報告書は、2007年度に当社が行ってきた事故防止の取組みや社内安全体制の実態について、広くご理解いただくために公表するものです。
皆様からの声を輸送の安全に役立てたく、是非、積極的なご意見を頂戴できれば幸いです。
北越急行株式会社
代表取締役社長 大熊 孝夫
当社の安全体制
当社は開業当初から「安全・安定輸送の確保」を経営の最優先課題に据え、「安全な輸送こそ最大の価値観」との強い決意のもとに取組んできました。
また、2006年の鉄道事業法の改正を受け、社内に安全管理体制の更なる強化を図るとともに2007年2月には新たに内部監査体制の確立やリスク管理体制の再構築に取組み、これまで以上に強固な安全管理体制の構築を図ってきました。
特に、異常気象に起因する輸送障害や大事故を想定してのリスク管理の強化について研究を進める等、信頼できる鉄道づくりを目指してきました。さらに、社員一人ひとりが安全を創り上げるための意見を全社員で共有化する双方向情報システム導入についても勉強を行ってきました。
その結果、これまで「お客さまの死傷事故」の発生もなく、「ヒューマンエラーによる輸送障害」や「車両・設備の故障」等の発生件数も極めて少ない状況で推移することができ、2007年10月には北陸信越運輸局長から開業以降4回目の無事故表彰を受賞することができました。
なお、当社の安全管理体制は次のとおりです。

【安全管理体制組織図】
安全管理体制組織図
安全を確保する取組み
(1)基本方針と安全目標
当社の安全に関する基本方針は、指針にも挙げている「基本動作を励行し、安全安定輸送の確保を図る」ことを最優先項目として定め、開業以来取組んできました。
この基本方針を達成するため、2007年度は他の鉄道会社で発生した鉄道事故に鑑み、安全計画に「人命最優先(お客さまと社員の死傷事故ゼロに向けた取組みの実践)」という具体的な目標を掲げて取組んできた結果、お客様と社員の死傷事故ゼロの目標を達成することができました。
また、2007年2月には新たに「社員行動規範」を整備するとともに、法令の遵守と安全確保という大きな目標に向って全社員で実践してきました。
【安全綱領】
(1) 安全の確保は、輸送の生命である。
(2) 規程の遵守は、安全の基礎である。
(3) 執務の厳正は、安全の要件である。
【社員行動規範】
(1)法令等の遵守と企業倫理に則った適切な行動
(2)お客様に信頼される鉄道
(3)社会への適切な情報提供
(4)地域社会への貢献
(5)個人情報等の厳正な管理
(6)公正公平(適正)な取引
(7)反社会的勢力に対する毅然とした姿勢・絶縁
(8)会社財産の厳正な管理
(9)働きやすい職場づくり

(2)輸送の安全確保のための具体的な取組み
① 安全確保のしくみ
社内には、経営トップから各現業機関の区所長までをメンバーとする安全推進会議が設置され、安全計画の策定及び社内で発生した運転事故や傷害事故等の原因究明、再発防止策の検討、安全意識向上施策の審議等を行い、本社と現場が一体となって安全対策を進めてきました。
特に、事故防止の具体的な施策や自然災害による輸送障害を軽減させるため数々の課題について、全社員及び部外機関と一体となり積極的に取組んできました。
② トップによる現場指導の取組み
社長をはじめとして、会社幹部が現場を巡回し、社員との意見交換会や事故防止のための検討会等に参加し、安全管理状況の実態把握を行ってきました。
また、夏季繁忙期や年末年始の多客輸送期間の前に、幹部による安全点検を行い、各機関の問題点の摘出や改善を進める活動を行ってきました。
③ 教育、訓練と人材の育成
当社では、輸送の安全確保のため、社員の人材育成や技術継承に積極的に取組んできました。特に、各部門、各職場においては階層別研修や職能研修、サービス研修等を実施、部外講師による専門研修、労働安全衛生法等で定められている技能講習等、資格取得に積極的に取組み人材育成に努めてきました。
また、社員に対する実践的な訓練についても積極的に取組み、2008年度においては「ほくほく線・信濃川橋梁上での大規模災害」を想定し、地元の消防機関等と合同で訓練を行い、関係機関との異常時の連携強化及び技量向上に努めてきました。
その他にも実際の設備や訓練列車を用いて事故復旧訓練や故障対応訓練等の異常時対応訓練を行い、技術力保持やチーム力の向上に取組んできました。
④ 社員の資質管理
列車等の運転に直接関係する社員や施設及び車両の保守その他これに類する作業を行う社員に対しては、必要な知識及び技能を保有するよう社員一人ひとりの適性、知識及び技能の確認を行ない、質の高い社員育成に努め資質管理の取組みを強化してきました。
⑤ 運転士養成
運転士養成は、駅業務や車両整備の業務に従事した後、社内及びJR東日本の教育機関を活用して約6カ月間の教育を実施し、国家資格を取得した後に運転士業務に就かせておりますが、2007年度には3名の運転士を養成しました。
⑥ 安全のための投資と支出
在来線における国内最速運転線区を維持するため、運転設備や車両の早期点検及び早期取替えを行うとともに最新の技術を取り入れた機器設備への更新工事を行ってきました。
主な安全投資は次のとおりです。
【主な安全投資】
■列車遅延情報システム改修1,280万円
■無人駅用放送設備改修 600万円
■気象情報システム改修2,600万円
■ATS-PS装置
(※JR線の保安システム変更に伴う取替え)
5,120万円
■線路等のインフラ維持改良40,000万円
事故等の発生状況とその再発防止措置
(1)鉄道運転事故
2007年度の鉄道運転事故の発生件数はゼロであり、引続き無事故を継続することができました。また、過去5年間の鉄道運転事故や死傷者の発生件数についても1件の発生もなく、安全輸送を継続してきました。
年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度
鉄道運転事故件数 0 0 0 0 0
死傷者数 0 0 0 0 0
(2)災害(地震や暴風雨、豪雪など)
2007年7月に発生した中越沖地震では、新潟県柏崎を中心として震度6強を記録し、ほくほく線内でくびき駅に設置した地震計が410galを感知しましたが、点検を行った結果、大きな被害はなく8時間後の19:00前には運転を再開し、長期間運行停止となったJR信越本線の迂回路線としてその機能を発揮しました。線区内の被害箇所については行政からも協力を得て急傾斜地の法面整備を実施し、より安全な沿線設備の改良を行いました。
(3)輸送障害(30分以上の遅延や運休)
2007年度の輸送障害は13件発生しました。これらのすべては強風等によるもので、係員に起因した輸送障害の発生はありませんでした。
(4)インシデント(事故の兆候)
2007年度は国土交通省へのインシデント報告はありませんでした。
(5)行政指導等
2007年度中に国土交通省からの行政指導を受けたものはありませんでした。
(6)事故防止の取組み
① 保安装置の拡大
弊社所有の普通車両には、ATS-Pの最新保安装置とJR線内で使用するATS-Sn保安装置を搭載しています。しかし、JR線内の設備改修に併せてATS-Sn保安装置を新しいATS-Ps保安装置に置き換え、2007年度から使用開始し、一層の事故防止の充実を推進してきました。
② 気象情報システムの更新
従来から使用していた気象情報システムの情報量を拡大するとともに、雨量計の増設を行い、より一層の安全運行に対して支援ができるようにしました。
③ 強風対策
強風に対する運転事故防止を強化するために、2006年から鉄道総合技術研究所と共同で「くびき~犀潟」駅間で具体的な風向、風速データの研究を行っています。「くびき~犀潟」駅間は当社で最も風の影響を受けやすい区間であることから、この区間に、新たに4箇所の「風向・風速計」を設置して、強風対策の調査を進めています。
④ 列車遅延情報システムの更新
従来から使用していた列車遅延情報システムに音声案内を付加して、2008年3月からお客さまの安全確保やサービスをより一層強化しました。
⑤ その他
2007年5月には十日町駅にAED(自動体外式除細動器)を配置し、社員に救急救命講習を受講させ、お客様の不慮の災害に対する対処を充実しました。
また、「鉄道テロ」等に対する警戒体制を強化するための監視カメラ機能の改善を進めてきました。
以上